リース・トーレスについて




リース・トーレスの正体について考えてみます。
資料は「アンリミテッド:サガ 解体真書」及び、ゲーム中で得た知識(忘れかかっている所もありますが・・・)です。
解体真書内でも、冒頭に書かれている黄金時代の伝承、イスカンダール時代の諸説は考慮の対象外としています。
また、小説2冊は見ていませんが、そちらに何か書かれていても同様に考察に影響はないもの(一種のパラレルワールド的な存在)とします。
あくまで、ゲーム中の事実と解体真書後半に書かれている設定を基に、多少強引でも可能な限り矛盾の無い考察をしてみようと思います。
原案の時点では●リース・トーレス、真人説●とか●リース・トーレス、アンリミテッド説●とかありましたが(笑)

●リース・トーレス、神説●
> 過ちに気付き、クリスタルの研究施設などを破壊した後に力を失った神は姿を消した。
(アンリミテッド:サガ解体真書P552“黄金時代の真実”より)

神としての絶大な力は失ったのでしょうが、神が“消滅した”とは書かれていません。
(同書P10の“一般的な伝承”では『みずからの消滅と引きかえに〜〜』書かれていますが、上記が“真実”のため除外します)
つまり、力を失った神は、後々またルーラーの出現の危機に迫られた時に備えて『リース・トーレス』として現れたのではないか。
以下、仮説であると言う注釈はつけませんが“リース・トーレス=神”であると言う前提で書いています。

真書のイラストでもリースの素顔は隠されていますが、これが実はこの事を暗喩しているとか。
(恐らく)素顔を知る真人達にバレないように、ああ言った服装をしているのでは?とも思えました。

“イスカンダールは、リースの導きで真人の娘と出会った”と言う解説が真書でなされています。
ここで、真人とイスカンダールを引き合わせるには、リース自身が真人と接触がなければなりません。
上記のように素顔(正体)を隠しているのなら、真人とコンタクトは取れないような気もしますが、
リースが神であったとするならば、力を失う前に将来の為に自分の正体を知る真人『リヴェルヴァーラ』を創造したのなら・・・
(真書P556の“真人”の項で、神が創造した・・・とあるので、以降はその表記を用います)

神がイスカンダールと言う英雄の誕生を知っていて、その為に・・・とは考えにくいです。
ただ、いつか世界を安定に導ける“英雄”が生まれてくるであろう可能性に賭け、リヴェルヴァーラと言う真人を創造したとも考えられるでしょう。
そうする事で「リースと真人」「イスカンダールとリース」「イスカンダールと真人」と言う繋がりが出来ます。
それも、リースが神であると言う事実を、大半の真人達に隠したままで・・・・・・



◆英雄と神との接点について◆
この考察は“ロマンシングサガ ミンストレルソング”の発売決定後に推敲しています。
2005年3月現在、ロマ1にハマっていますが、ここである共通点に気付きました。

ロマサガ1では、人類が選び出した“ミルザ”と言う英雄に、神々の父“エロール”は力を貸してサルーインを打ち倒しました。
リミサガでは、二人の出会いについては書かれていませんが、“イスカンダール”と言う英雄に“リース”が盟友として力を貸している状態です。
「ミルザ=イスカンダール」とすれば「エロール(ハオラーン)=神(リース)」と言う構図も成り立たないとはいえません。
また、サガシリーズは“神”と“人”との接点が多いですし・・・(ロマサガ3の魔王・破壊するものも、“神”に類する力を持っているかと)

ロマサガ1との違いは、イスカンダールとリースは、ただの“英雄と神との繋がり”だけでなく、“友”としての絆が生まれた点でしょう。
この考察では触れていませんが、アリスとの出会いや3人の結末(アリスがイスカンダールのアンリミテッド化を知っていたかなど)も気になりますね。
アリスの存在は、リースにとっての良い意味での誤算だったのか・・・・・・この辺りはまた何か思いついたら考察コンテンツ化するかもしれません(未定)

そう言えば、最後には両者とも“正義の神”“アンリミテッド”と言う、“神”に類する存在へ変わったと言うのも共通点になりますね。
エロール(リース)がミルザ(イスカンダール)を正義の神(アンリミテッド)に任じた点も、リースが神である仮説の裏づけには・・・なりませんか?



◆常識外れの効力を持つ“術”◆
神であるが故、アンリミテッド化などと言う常識では考えられない術さえも会得していた。
チャパを救った元素制御の術、これも“人”の手に余る代物でしょう。
「イスカンダールの残した石板」とありますが、全てがイスカンダールの手によるものとは考えにくいと思います。

アンリミテッドとなった今も、ゲーム中の世界では普通の“人(英雄)”程度の力しか発揮出来ない設定になっていたはずです。
最初から“武器マスタリー”を持っていたり、“旧き言葉の知識”を持っていたりするのは特権に当たるのでしょう。
ここで、“旧き言葉の知識”のレベルが1と言う所に疑問を感じます。

このスキル、“術合成”同等の能力定数、それ以上の五行定数を持つ、高いレベルでバランスの取れたスキルで、
効果は「魔道板に記されている術を下(難しい術の多くは下=後半に記されている)から習得出来る」と言った感じです。
つまりは、術に関する文字・文法の知識と言えるのではないでしょうか(定数以外にレベルによる差が無いのは・・・何かシステム的な制約でもあったか)。

ここで、スキルレベルを上げてイスカンダールの実力を示そうとすれば、能力が序盤に見合わない位高くなってしまいます。
が、それならばレベルを上げる代わりに能力&五行定数を下げてしまえば問題ないはずです。
そうすれば、イスカンダールの知識の高さを表現しつつ、能力値が高くなりすぎないように出来るでしょう。

正直、スキルとしては使いにくく、シナリオクリア時にも出現しない点からも、定数が高くても消される事が多いと思われるので、
“旧き言葉の知識”の能力・五行定数を低くする事による弊害も大してないように思われますし・・・

真人である「銀の少女」はL4、かのブルーサンダー「ジョーゼフ」でもL3と言う知識を持ってます。
上記のように「旧き言葉の知識≒術の知識」とすれば、イスカンダールの術に関する知識はそこまでは高くないと取るのが妥当ではないでしょうか。
一般人よりは遥かに知識があるでしょうけれど≪元素制御の秘術≫を自力で編み出せる程であったか・・・・・・少々疑問が残ります。

英雄としての類稀なカリスマ、様々な武器を使いこなす技能は持っていたでしょう。
加齢のせいか“身のこなし”がレベル1になってしまっていますが、英雄時代には人並み以上に高かったのでしょう。

加齢による能力の低下。これがゲーム中のスキルレベルに関わっている事は充分に考えられます。
1000年と言う長い時間の中で“旧き言葉の知識”が薄れていった為に、レベルとしては低くなってしまったと言う可能性もあります。
が、元々素質があったのであれば“武器マスタリー”のように、それなりの高水準で保つ事は出来たでしょう。
開発段階ではL3マスタリー等もあったようですので、「ゲーム中にそのレベルしかない」と言う事は理由にならないかと思います。

これらから推測してみると、チャパに伝わる≪元素制御の秘術≫は、
イスカンダールから相談を受けたリースが編み出し(もしくは手を貸し)、チャパ族に伝え石板として残したのはイスカンダールなのではないでしょうか。
解体真書の巻末小説(ベニー松山さん著)で「その儀式をもたらした人間に、少しばかり縁があるのさ」と言うイスカンダールのセリフがあります。
最初は自分が編み出して伝えたが、自分は既に死んだ事になっているのだから、こう言っておこうと言う意味と捉えていましたが、
その儀式を「もたらした」と言う表現からすると、編み出したのはイスカンダールではないとも取れます。
この辺りは言葉の取り方次第なので何とも言えませんが・・・

ベニーさんが、どこまで裏設定を知った上で書かれているのかは分かりません。
設定の段階ではリースが祖となっている為に上記の表現になったのか、それとも設定でも決まっていない為にそうしたのか・・・
ただ言えるのは≪元素制御の秘術≫を編み出したのがイスカンダールであるとは書かれていない事でしょう(見落としがあるかもしれませんが)

注:イスカンダールを低く見るつもりは全くありません。
術に関しては、大半をリースに任せていたと考えても何ら不自然は無いと思いますので。
むしろ、イスカンダールが一人で何でも出来てしまったら、リースやアリスの存在意義は?と、逆に考えてしまいます。

また、ファロス封印の法さえ、リースがアリスに仕込んだのかもしれません。
この封印の法も、下記の遺物同様に黄金時代の産物ではないかと思います(要は、下記のカオス・ルーラー出現の一因になり得る)。
自分以上の、特異なまでの魔力を持つアリスならば、より確実に封印を行えると踏んでいたのでしょうか。
結局、ナイト・オブ・ザ・ラウンドテーブル1体の消滅で綻びが出てしまいましたが。


◆姿を消した神のその後は?◆
自分は神として重大な過ちを犯してしまったと悔い、神(自分)に変わる新たな存在『 アンリミテッド 』となるべき人材を探していた。
かつて“神”であった者が、自分が統治していた(?)世界のその後に対して何の処置も取らないのは無責任でしょう。
自分に代わる超存在の対象を探し、その“人”に対し黄金時代の産物の危険性やカオス・ルーラーの存在を伝えなければならなかった。

遺物について教える事は、後世でカオス・ルーラーが出現する可能性が高まる危険をはらむ諸刃の剣ですが、
まだナイト・オブ・ザ・ラウンドテーブルなどの黄金時代の過ち、竜始祖などの現在の人の不安が残っているため、
それらを清算し、人々が安心して暮らせる世界を作ること(後は自分に代わる存在の選出)を自分(神)の最後の役目としたのではないでしょうか。

遺物を使ってドラコ・アルケイオスらを征伐し、ファロスをアリスの超魔力で封じ、七大驚異を制覇すれば、
“混沌”のエネルギーを相当利用する事になり、驚異の最後にはカオス・ルーラーが出現したと考えて間違いないかと思います。
リース(神)の思惑通りに遺物と混沌との繋がりを伝えた上で、自分のいる間にカオス・ルーラー追い返し、今後の危険を相当遠ざける事が出来た。
そこで自分の償いを終える事が出来たのでは・・・と判断し、今後の世界を任せるべく、イスカンダールを“アンリミテッド”にした。
後世は次世代の神『 イスカンダール 』に託して、リース・トーレスこと“元・神”は人としてこの世を去った・・・・・・と。



◆ファロスを封印するに止まった訳は?◆
ナイト・オブ・ザ・ラウンドテーブルらを倒さずにファロスを封印したのは、
1:真人の手でなければファロスのエネルギー供給を絶てないが、その時点では強大な力を持っていたため、真人が手を貸す事を渋った。
2:ファロスのエネルギー量から、彼らを倒すと言う事をこの時点では無理と判断し、ファロスを封じる事で彼らの弱体化を図り、後々倒す事とした・・・
と言うような事情があったのではないでしょうか。

リヴェルヴァーラがいた以上、1の可能性は低いでしょうから、恐らくは2辺りが原因だったかと思います。


銀の少女の年齢が120歳、ナイト・オブ・ザ・ラウンドテーブルの配下のトゥースが吸血鬼化してから百数十年。
恐らく銀の少女生まれる前にアリスの結界に歪みが生じ、トゥースが生まれた(吸血鬼化した)。
結界の弱体化・不完全化に気付いた(監視していたとか)リヴェルヴァーラは、その後に生まれた自分の娘に使命(下記ライン内・仮)を託すべく、
自分が没する前にイスカンダールについて教え、フィダルジェインと名付けた。


不測の事態(封印の弱体化)の発生した場合、もしくはナイト・オブ・ザ・ラウンドテーブルを倒せるまでにエネルギーが減った場合には、
イスカンダールとコンタクトを取り、彼らを消滅させる・・・と言ったような約束が、イスカンダールら3人の間にあったのかもしれません。
イスカンダールはそれに備え、アリスの子孫(ルビィ&サファイア)を旅に連れ出して戦力強化を図っていた(ルビィ編)・・・とか。

ただ、ルビィ編ではナイト・オブ・ザ・ラウンドテーブルとは戦いませんから、単純にカオス・ルーラーとの戦いに備えていたのかもしれません。
(ヴェント・マイス編では真人「銀の少女」によるナイト・オブ・ザ・ラウンドテーブルの消滅、ルビィ編では自らの使命:カオス・ルーラーの消滅が目的?)


本当は自分がその役割(ファロスのエネルギー供給の根絶)、あるいはイスカンダールとの再会を果たそうとしていた・・・
けれど、自分が生きている間にはそれが叶わなかったのではないでしょうか。



◆リースとリヴェルヴァーラの面識についての補足◆
イスカンダールらの時代は約1000年前(ゲーム中のフォートも同時期)、黄金時代は数千年前に繁栄と言う表記、
真人は“1000年以上を生きる”と言う点から、真人の寿命は1000〜2000年の間と思われます。
もし2000年以上の生きるのが普通であるなら、黄金時代繁栄が数千年前と言う表記同様に“数千年を生きる”と書くでしょう。

また、終末の日からイスカンダールの時代まで、どれ位の時間があったか考えてみると・・・
終末の日に真人ではない、恐らく寿命100年程度の“人”が誕生し、イスカンダールが全土平定に乗り出すまでにどれ位まで人が増えたか。
終末の日の時点でどれ位の“人”が誕生したかは分かりませんが、真人が殆ど滅亡したような時に大量に存在したとは考えにくいので、
平定する必要があるだけの数に増えるには、少なくとも200〜500年程度はかかるのではないでしょうか。

この辺りは随分憶測に基づく為、突っ込み所満載かもしれませんが、ある程度上記に近いとするならば、
終末の日は1200〜1500年前、この頃に創造されたと仮定したリヴェルヴァーラも、同様に1500歳程度で没したこととなり、
上記の“真人の寿命が1000〜2000歳の間である”と言う自説とも多少の合致がみられます。

ナイト・オブ・ザ・ラウンドテーブル誕生が終末の日の少し前と仮定してみると、黄金時代繁栄期は2〜3000年程度前まで?になるでしょうか。
と言う感じの区分かもしれませんね。

私の頭の中はこんな感じじゃないかと思っていますが、こうならば冒頭の
神が、リースとして現れた時に自分の正体を知っていて、コンタクトの取れる真人“リヴェルヴァーラ”を創造した仮説と、
上記、真人の寿命(1000〜2000年)の仮説、リヴェルヴァーラが没したと思われる年齢(1500歳前後)に多少の合致が見られます。

ナイト・オブ・ザ・ラウンドテーブルが死を恐れてアンデッド化したのは、繁栄期〜末期にかけてと考えたのは、
彼らが繁栄期の研究者であり、余命幾許もなく(と言っても100年程度はあったかも)、世界が徐々に破滅に向かっている恐怖感などから想定しました。
およそ3000年少し前に真人として誕生し、1800年前頃(余命200年程度?)にアンデッド化したと言う感じでしょうか。




かなり話がそれましたが・・・正直、リースほどの存在が“人”であるとは考えにくいんですよね。
真書でもイスカンばかりに触れられていて、それ以上の存在ともいえるリースは『伝説の大魔道士』と言う程度の表記。
考えていないのか、伏せているのかまでは分かりませんが・・・・・・私は、あえて明かしていないのだと思います。
もし明かしてしまえば、実際にゲームに出ているキャラクター達より、伝説上の人物の設定ばかりが目立ってしまうでしょうし。

河津氏はサガフロンティアの裏解体真書に於いても
T260GのTをタチアナと呼ばせようかと思ったが、名前だけが印象に残ってしまうのでやめました と言った事を述べています。
それを考えれば、あえて明かさなかったと言う事も充分考えられるのではないでしょうか。



まとまり切らない状態のままに掲載しているため、穴だらけかもしれません(汗)
終盤は考察の補足だらけになってしまっていますし・・・今後、出来れば加筆修正していこうと思っています。
一番“穴”になっていそうなのは・・・元素制御の秘術(雨乞いの儀式)をイスカンダールが編み出したかどうかですね。
ゲーム中なり真書なりで書かれていたら、途中の部分がバッサリ否定されてしまう為、その時には公開一時中止になるかもしれません。
ただ仮に、小説で書かれていたとか、チャパ族の村長が言っていたというご意見が寄せられたとしても、それでは考察の修正はしないつもりです。
ゲーム中でイスカンダール本人が言っているか、公式設定資料(仮)でそうなっているという100%間違いない確証でなければ覆せないと思います。
「世間に広く知れ渡っている事」=「真実」とは限りませんので・・・


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原案:2003年夏(既に忘却の彼方)
作成:2005年3月18日
修正1:2005年3月20日

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